(5)僧侶が絶滅した世界
いらっしゃいませ
priest cafeだったところにようこそ
僧侶がバージョン5.2で少しだけ強くなり
救われた感じですが…
期待していた感じではなくて残念
220スキル?に期待したいと思います
賢者は強くなったのか?
まだみてないです
見ておかないとダメですね…
元僧侶国
現賢者カフェオープンです☕️
■ 前回のお話
■ Part:19 木馬発動の謎
緊急出動ということもあり
多くの兵を動かす事はできず
5名の飛術小隊を従え
襲撃された軍の捕虜難民収容所に向かう
敵戦力の詳細は不明
どうして越境して突如襲撃された理由が分からず
現地も本部も混乱していた
ただわかっていることは
かなりの手練れが攻めてきているという事実
現地の守備隊はすでに全滅
捕虜と難民を収容している施設が
全て敵の掌中に落ちたと通信があった
デスマスター軍の捕虜たちが解放され
現地で武装化しているとのこと
この手際の良さはなんだと
違和感を覚えながら
現地に移動ルーラ石で飛んだ
■ Part:20 エンゲージ
現地に飛んだ
すでに周りは黒い炎の海だった
闇の炎
デスマスターの所業である事は間違いなかった
周りの光を吸い込み
ひときわ目立つ闇の輝きを放つ者を発見
わたしは飛行ルーラ石に持ち替えて
すぐにその者の元に飛んだ
-飛行ルーラ石-
左手に持つ事で
空中での戦闘を可能にする
そのかわり右手あるいは左手
いずれかしか使えなくなる
そのため盾を装備できなくなる
飛行中はかなりのMPを持続的に消費する事から
かなりのMP保有量をもつ
一部の術者にしか扱えなかった
飛行ルーラによる空からの攻撃は
三次元的攻撃が可能になることから
これまでの戦術の常識を大きく変えるものだった
飛行ルーラ石を扱える特殊能力をもつ術者は
飛術者と呼ばれた
目の前に居たのは僧侶だった
いや!僧侶だった者だった
ねぃ:
「あなたは!」
デズリン:
「久しぶりね!シスター」
ねぃ:
「マザー!
ーあんなに信仰が深かったあなたが
ーどうしてデスマスターに!?」
デズリン:
「同胞に対して不躾ね。
ー祖国を捨てて賢者様になったの?
ー死力は素敵よ。
ー元僧侶さん?その身体で体験してみます?
ーデスマスターとしての適性をみてあげるわ」
そういうとデズリンは右手に持った鎌を
片手で軽々とふりかざし空に舞い上がる
左手には飛行ルーラ石が輝いていた
わたしも扇を持っている右手の逆
左手の飛行ルーラ石に力を込める
一度の飛躍で飛べるのは60秒間
先に飛んだ方が不利になるはず
デズリンは力を込めた
デズリン:
「血吸いの守り!早読みの陣!ベギラゴン」
ねぃ:
「はやい!3回攻撃!?」
でも次は来ない
どうやらデズリンはターンを
3ターン貯められるようだ
わたしは2ターンだけ…
これはこれで不利だけど
撃ち合いになればそこまでではないはず…
まずは魔法で様子見という事か…
セオリー通りだとマホステだけど
ねぃ:
「マホステ!」
デズリンの左の口角が上がり
一瞬笑ったようだった
デズリンが一直線にわたしに向かってくる
魔法はやはりフェイントだった
鎌を大きく振りかぶって斬りつけてきた
デズリン:
「災いの斬撃!」
身体がマヒする危険な技…
災いの斬撃に加えて『魂狩り』を連撃され
その命を失った者をたくさん見てきた
なんとか扇で弾いたが
小刻みに震える指先
手が痺れて危うく扇を落としそうになる
そして間髪入れず呪詛が来る!
闇属性ダメージ減100%のわたしには無効!
デズリンは一瞬止まった様に見えたが
予測の範囲内だったようだった
それ以上連撃を打たず
デズリンは後ろに間合い取るように離れた
ねぃ:
「・・・」
空中だとわたしが圧倒的に不利なのかもしれない
すぐに格上なのはわかった
でも何か弱点があるはず
わたしは地上に降りて杖に持ち替えた
ねぃ:
「活命の杖!」
活命の杖の杖はHPを45秒間高めてくれる
直接攻撃では敵わない
ブーメランに持ち替えた
両手で2つのブーメランを投げる
デュアルカッターを放って
わたしはデズリンに飛びかかった
デズリンは余裕で
鎌で1つ目のブーメランを弾き飛ばし
もうひとつは避けた
そしてわたしに振りかざされる大鎌
わたしは即座に弓に持ち替えるが
間に合わない!
弓ごと鎌で切り裂かれる
ねぃ:
「ぐふっ…ぶはっ・・・」
即死は免れたが
大きな致死級ダメージを受けて吐血する
ねぃ:
「(危ない…
ー活命の杖をしていなかったら死んでた)」
わたしは口から血を流しながら
至近距離からシャイニングボウを放つ!
6連撃の光攻撃!
闇属性に落ちたデズリンには痛い攻撃のはずだか
鎌を高速に回転させ
6本全て弾き返した
デズリン:
「これが賢者国のエースさんの力?
ー大したことな…
ーぐふっ!!!!」
先程投げたブーメランが戻ってきて
デズリンの背中から心臓を貫いた
ブーメランの端が胸骨を突き破り
鮮血が滴り落ちる
口から血を吹き出し
デズリンの背中は
くの字に仰け反った
ねぃ:
「イオグランデ!」
わたしはすぐさま
デズリンの背中にブーメランが刺さったまま
正面からイオグランデを放った
糸の切れたマリオネットの様に
身体の角度がいびつに曲がったまま
吹き飛ぶデズリン
…
片目から血を流しながら
デズリンは言った
デズリン:
「…油断したわ…これを狙うのに
ーわざとわたしに鎌で斬られたのね…
ー恐れ入ったわ…気合い入ってるじゃない
ーでも…目的は達したから
ー今日はここで失礼するわ…」
そう言うと胸から移動ルーラ石を取り出して
北に飛んで行った
他のデスマスター国の捕虜たちにも
移動ルーラ石が渡されてたのだろう
デズリンのルーラを合図に
軌跡を残して次々と北に飛んで行った
わたしは大量の出血からショック症状になり
その場に倒れこみ意識を失った
世界は黒く深く暗転していった…
■ Part21:トロイの木馬の正体
後に今回の襲撃は
旅芸人国の捕虜を検査していた際
そのうちの1人が突如暴れ始めたと
我が軍の生存者からの証言で明らかになった
デスマスター国軍にデスパワーを貯める為に
殺されては生き返らせられるという
残虐非道なデスパワーユニットの被害者に紛れて
デズリンが紛れていたようだ
デスパワーユニット捕虜を解放するという
当国の人権保護を逆手に取った
トロイの木馬作戦だった
自国の捕虜奪還の為
目的のためなら手段を選ばない
デスマスター国の戦略に陥れられたのだった
-デスパワーユニット捕虜の解放についての指示書-
今回の件の経験から
今後はデスパワーユニット捕虜の回収はせず
現地での対応のみとする
逆らう者はその場で殺せ
デスマスター国との戦いは
人道を超え泥沼になっていくのだった…
■ 予告
昨日の夜
己の全てを出し切り闇の炎に照らされた
今日の昼
生死の境目を彷徨っていた
明日の朝
ちゃちな信仰とちっぽけな生への執着が
この世に命を繋ぎとめた
わたしは創造神に愛された
シュレディンガーの猫
フタをあけなきゃわからない
次回『 覚醒 』
明後日?
そんな未来の事はわからない…
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